1型糖尿病の治療法|インスリン治療と血糖測定(リブレ)をわかりやすく解説
1型糖尿病の治療法|インスリン治療と血糖測定(リブレ)をわかりやすく解説
1型糖尿病は、自己抗体により膵臓のβ細胞が壊れてインスリンがほとんど出なくなる病気です。
そのため、インスリンの補充が必須になります。
発症は子どもから大人まで幅広く、風邪のようなウイルス感染などがきっかけで急に発症することもあります。
1型糖尿病の治療は、主に以下の3つの柱で構成されます。
インスリン治療
自己血糖測定(または持続血糖測定)
食事・運動の自己管理
この3つを組み合わせ、血糖値を安定させながら低血糖を防ぐことが治療の目的です。
1型糖尿病では体の中でインスリンが作れないため、外からインスリンを補うことが必要です。
速効型インスリン:食事の直前に打ち、食後の血糖上昇を抑える
持効型(基礎)インスリン:1日1〜2回打ち、1日を通して血糖を安定させる
混合型インスリン:速効型と持効型を合わせたタイプ
患者さんの生活リズムに合わせて、複数回注射(強化インスリン療法)や1日2回注射などの方法を選択します。
チューブ型またはパッチ型のポンプを使い、24時間少量ずつインスリンを注入する方法です。
食事時はボタン操作で追加投与ができ、より生理的な血糖コントロールが可能です。
1型糖尿病では食事が血糖値に直結するため、炭水化物量(糖質量)を意識する食事管理が必要です。
「カーボカウント(炭水化物カウント)」と呼ばれる方法を用いることもあります。
毎食の炭水化物量を一定に
食事のタイミングを一定に保つ(インスリンの効果に合わせて)
野菜やたんぱく質を先に食べる
甘い飲み物・お菓子は控える
野菜、魚、豆類、きのこ、海藻など
食物繊維を多く含む食品(血糖上昇を緩やかに)
運動はインスリンの感受性を高め、血糖を下げる働きをサポートします。
ただし、インスリン注射とのバランスに注意が必要です。
食後1〜2時間に軽い運動(ウォーキングなど)
空腹時の激しい運動は避ける(低血糖の危険)
低血糖に備えてブドウ糖やジュースを携帯する
運動を行う前には、医師の指導を受けて調整することが大切です。
1型糖尿病の治療は、インスリン療法を中心に、食事・運動・自己血糖管理を組み合わせることが基本です。
近年は「リブレ(FreeStyleリブレ)」などの**持続血糖測定器(CGM)**の普及により、
指先採血を繰り返さずに、リアルタイムで血糖変動を把握できるようになりました。
これにより、低血糖や高血糖のリスクを減らし、日常生活の自由度も高まっています。
さらに、1型糖尿病の治療の最終目標は、
**「食事内容を見て食事に対するインスリン量を決定し、食前の血糖値を確認して追加インスリン量を調整し、血糖を安定させること」**です。
この一連の自己調整ができるようになることで、血糖コントロールの精度が高まり、合併症の予防や生活の質の向上につながります。
また、
食事では、炭水化物の量(糖質量)を意識した「カーボカウント」を行うこと
運動では、有酸素運動(ウォーキング・ジョギングなど)と軽い筋トレを組み合わせること
が、血糖値の安定とインスリン感受性の改善に効果的です。
リブレなどを上手に活用しながら、日々の血糖変動を“見える化”することで、
自分の体に合った最適なインスリン量と生活リズムを見つけていくことが、最新の1型糖尿病治療の鍵となります。
当院では、リブレの導入やインスリン治療の相談も行っています。お気軽にご相談ください。